学生服の生地を見る時、ポイントは2つあります。1つは機能(加工)について。
もう1つは生地の混率についてです。その生地にどの素材がどのくらい含まれているのかによって、見た目や着心地・お手入れ方法も変わってきますので、今回は素材について紹介します。
それぞれの素材について
学生服で主に使われる素材は、次の5つです。
・ウール
ウールは「羊の毛」を素材にしたものです。昔はウール100%生地の制服もありましたが、最近ではあまり見かけませんね。
ウール100%の制服は見た目も高級感がありますが、基本的に家庭洗濯機で丸洗い出来ませんので、日々のお手入れは大変になります。最近では混率ウール30~50%の生地を使用するケースが多いです。
【メリット】
・熱伝導率が低いので、冬は暖かく、夏は涼しい ⇒空気中の湿気を吸収し、水分が蒸発するときに熱を奪うため、夏は涼しく感じます
・色落ちしにくい
・しわになりにくく、しわになっても、蒸気を当てると簡単に戻りやすい
【デメリット】
・価格が高い
・ポリエステル
ポリエステルは主に石油など化学的に合成された原料から作られる合成繊維です。
【メリット】
・耐久性に優れている
・速乾性があり洗濯の後もすぐに乾く
・外での乾燥にも日焼けが起こりにくい
・ウールなどの天然素材と比べると軽い
・シワになりにくく型崩れもしにくい
【デメリット】
・吸水性がない
・レイヨン
レーヨンは木材パルプから取れる植物原料に薬品加工した「再生繊維」です。
【メリット】
・シルクのような滑らかな肌触りで、軽くサラリとした心地良さ
・光沢があり染色性にも優れ、美しい色の生地になる
・通気性に優れている
・しなやかでドレープ性に優れている
・シルクとよく似ているが低価格
【デメリット】
・シルクと同じでデリケートな素材で取扱いに注意が必要
・コットン(綿)
綿は木綿の種から取れる「種子毛(しゅしもう)」のことをいいます。
【メリット】
・吸水性・通気性に優れている
・柔らかい肌触り
【デメリット】
・縮みやすく、しわになりやすい
・直射日光に当て続けると痛みやすい
・ナイロン
ナイロンは石油を原料とした「合成繊維」です。
【メリット】
・摩擦に強い(綿の約10倍の強度で、ポリエステルよりも強い)
・軽いコットンなどの天然繊維やポリエステルよりも軽い
・弾力性があり型崩れもしにくい
・耐久性に優れていて水や油にも強い
・洗濯で色移りや縮み、しわにもなりにくく、お手入れがしやすい
【デメリット】
・水分を吸い取りにくい(吸湿性が低い)
・熱に弱く乾燥機やアイロンに注意が必要
・直射日光での黄ばみ、色あせが起こる
・静電気が起きやすい
混率の考え方について
素材にはそれぞれメリットがありますが、生地に使われる比率により、その特徴のバランスも濃くなったり薄くなったりします。
同じブランドの学ラン(詰襟)でも、生地の混率が違う商品ラインナップがあり、選べるケースもありますので、欲しい機能の強い生地(混率)を選ぶようにしましょう。
まとめ
素材も学生服選びの1つのポイントですので、チェックしてみてくださいね。
また以下の記事で「制服の機能」について書いていますので、ぜひ読んでみてください!