【学生服メーカー比較】制服販売店の店員が決める、日本1メーカーは!?

こんにちは!現役の制服販売店員として、毎日たくさんの学生服に囲まれている、制服大好きのNaNaです。
入学シーズンが近づくと、親御さんからよく「どのメーカーの制服が一番いいの?」と聞かれます。
実は、日本の学生服業界には「御三家」と呼ばれる圧倒的なトップ3社が存在します。
それが、「カンコー学生服」、「トンボ学生服」、そして「明石スクールユニフォームカンパニー」です。
今回は最新決算データ(2025年11月時点)をもとに、制服販売の最前線に立つ私ならではの「独断と偏見」を交えて、この3社を徹底比較します!
「現在、勢いがあるおすすめ学生服メーカーはココだ!」というナンバー1を(勝手に)決めちゃいますよ。

※以前に制服自体(商品)についてのメーカー比較の記事を書いていますので、今回は会社としての比較を中心にしていきます!

比較1:売上高(規模の大きさ)

まずは「会社の勢い」を示す売上高です。ここはトップ2社のデッドヒートが凄まじいことになっています。

メーカー名(主力ブランド)売上高備考
株式会社トンボ(トンボ学生服)461億8,500万円2025年6月期(10期連続増収)
菅公学生服株式会社(カンコー学生服)456億円2025年7月期(2024年度実績414億)
明石スクールユニフォームカンパニー(富士ヨット学生服)315億円2024年12月期(グループ連結)

【店員の目】
売上トップはトンボ!10期連続の増収で、ついに460億円の壁を突破しました。
カンコーも猛追していますが、現時点での「売上の規模感」ではトンボが一歩リード。
明石SUCは上位2社に比べると数字は落ち着いて見えますが、実は伸び率が非常に安定している実力派です。

比較2:利益(会社の収益性)

ここが今回最も重要視したいポイントです。
いくら売っても、利益が出ていなければ良いサービスや品質は維持できませんよね。
ちょっと難しい話になりますが、経常利益とは「企業が通常行っているすべての事業を通して得た利益」。当期純利益は「すべての費用と税金を差し引いた後に会社に残る金額であり、企業の最終的な収益力を示す重要な指標」となります。
■トンボ(2025年6月期):経常利益 18億1,400万円。当期純利益12億9,200万円。
■カンコー(2025年7月期):経常利益8億9,100万円。当期純利益は500万円(前期15億円の純損失)となり、黒字へ転換
■明石SUC(2024年12月期):経常利益 約6億7,000万円。当期純利益4億1,000万円)

【店員の目】
注目するのはトンボの利益率の高さです。売上461億円に対して経常利益18億円超えというのは、原材料費や物流費が高騰している今の時代、かなり優秀な数字です。
カンコーは当期純利益の金額が低い部分が気になります。

比較3:認知度(知名度とブランド力)

お客様(保護者・学生)にどれだけ名前が売れているかです。

  1. カンコー学生服(KANKO)
    感覚的には1位です。「学生服といえばカンコー」というイメージが強く、SNS戦略も上手です。
  2. トンボ学生服(TOMBOW)
    お客様に「トンボ鉛筆」と間違われる(同じ会社と思われている)こともありますが、老舗としての信頼度は抜群です。
  3. 明石SUC(富士ヨット学生服)
    社名よりもブランド名の「富士ヨット」の方が有名です。売上金額や制服採用数から考えると認知度は低めに感じます。

【店員の目】
ブランド戦略ではカンコーが優勢ですね。
最近では「カンコーショップ」という直営店をおしゃれなセレクトショップのように展開していて、若者へのアピール力があります。
制服販売店を直接運営しているということで、言い換えれば私たちのライバルですね(>_<)

比較4:会社の歴史と信頼

歴史を知れば、そのメーカーの「性格」が見えてきます。

■カンコー(1854年創業)
創業170年超!幕末から続く超老舗。
■トンボ(1876年創業)
こちらも明治初期からの歴史。創業者の精神が今も製品に宿っています。
■明石SUC(1865年創業)
細紐類の製造業「西屋」で創業しました。

【店員の目】
カンコーが一番歴史は古いですが、3社とも150年以上の歴史がある「モンスター級」の老舗です。
これだけ長く続いているのは、日本の学校教育と密接に関わってきた証ですね。
どこのメーカーを選んでも「品質の信頼性」に間違いはありません。
ちなみにカンコーと明石SUCは同族企業(特定の親族が経営権を持っている企業)で、トンボだけが同族企業ではないので、一般社員が社長になれるチャンスがあります。今のトンボの社長さんは芸能人と同姓同名の藤原竜也さんです(笑)

比較5:製品の特長(店員の実感)

現場で実際に商品を見て触っている私の個人的な感想です。

■トンボ
「とにかく丈夫」。生地がしっかりしていて、3年間着倒しても型崩れしにくい。機能性重視のイメージです。
■カンコー
「シルエットがきれい」。着た時のラインが今風で、中高生が「着たい」と思うデザイン。洗濯機での丸洗い技術もリードしています。
■明石SUC
「伝統と革新」。富士ヨットブランドの安心感に加え、平均的というより何かに少し特化した商品展開が特徴に感じます。

比較6:将来性と取組み

学生服業界の課題は「これからの少子化時代をどう生き抜くか」です。これはもちろん私たち制服販売店にも、大きく関わってきます!
■明石SUC
「防災教育授業」に力を入れ関連商品の販売も行い、また「ルコック」ブランドなど医療現場のウエアも展開しています。
■カンコー
「制服を売る」だけでなく、キャリア教育や学校の魅力作りをサポートするコンサル業務にも進出しています。
■トンボ
介護ウェア(ヘルスケア)部門が好調です。制服で培ったノウハウを高齢化社会に流用しています。動物関連のウエアも展開していますよ。

結果発表!店員が決める「日本NO.1メーカー」は……

独断と偏見で選ぶ2025年度のナンバー1は……
【トンボ学生服】 です!!
理由は「稼ぐ力の強さ」
正直、認知度や社歴ではカンコー学生服が魅力的です。しかし、2025年の最新決算で「売上過去最高」かつ「高い利益」を叩き出したトンボの安定感は、販売店から見て一番の安心材料です。
利益が出ているということは、それだけ製品の品質改良や、私たち販売店へのサポートに資金を回せるということ。
少子化で競争が激化する中、10期連続増収という結果を出せるのは、ユーザーのニーズを最も的確に捉えている証拠だと言えますよね。

まとめ

いかがでしたか?
どの学生服メーカーも素晴らしいこだわりを持っています。
最終的にはお子様が「これを着て3年間過ごしたい!」と思える一着を、ぜひお店で見つけてくださいね。

◇参考出典データ
トンボ:2025年6月期連結決算(繊維ニュース、マイナビ2027掲載企業概要)
カンコー:2025年度事業報告書
明石SUC:2024年12月期グループ連結決算(繊維ニュース、マイナビ2027掲載データ)