【仕付(しつ)け糸って!?】学生服の白い糸は取るの?取り方は!?

制服販売店で入学式直前のこの時期、お電話で多くいただく質問があります。
「ブレザーのこの×印の白い糸、切ってもいいんですか?」
「スカートの裾にある糸、これはデザインですか?」
初めて制服を手にされた保護者にとっては、高いお買い物だからこそ「失敗したくない」という思いから、一本の糸を切るのにも勇気がいりますよね。
今回は、制服販売のプロの視点から、意外と知らない「制服のしつけ糸」の正体と、正しい取り扱い、そして生地を傷めないための外し方について説明します。

「しつけ糸」にはどんな役割があるの?

結論から言うと、制服についている白い糸(あるいは目立つ色の糸)は「着用前にはずすもの」です。
しつけ糸には、大きく分けて2つの役割があります。

  1. 型崩れの防止
    工場から出荷され、皆様の手元に届くまでの間に、商品に変な折り目が付いたり、型崩れがないよう固定するため。
  2. 「新品」の証
    その制服がまだ未着用品であることを示す、一種の封印のような役割。
    しつけ糸はあくまで「手元に届くまでの安全ピン」のような役割ですので、役目を終えたら、お子様が袖を通す前にはずしてあげましょう。

ここだけは絶対にチェック!3つのポイント

では、仕付け(しつけ)糸の種類(場所)について説明していきます。

① ブレザーの「ベント(背中の切れ込み)」
ブレザーの背中側、裾にある切れ込みを「ベント」と呼びます(背中の真ん中ではなく、両脇の裾にあるブレザーもあります)。
ここには、切れ込みが開かないように、大きな「×印(バッテン)」で糸がかかっています。メーカーによっては「ー印(直線)」でかがっています。
これをつけたまま歩くと、裾が突っ張ってしまい、歩きにくくなるだけでなく、生地に変なシワが寄ってしまいます。
必ずカットして、糸を取ってください。

② スカートの「プリーツ(ひだ)の裾」
スカートの裾一周をぐるりと、プリーツのヒダがバラバラにならないように大きな縫い目で留めてある糸です。
これは「プリーツが綺麗にプレスされている状態」を維持するためのものです。
これを取らずに登校してしまうと、歩きにくく大変です。というか友達に笑われてしまうので、忘れずに取ってあげてください。

③ スラックスの「ポケット袋の固定糸」
学生服ではあまりありませんが、一部のスラックスの後ろポケット(おしり部分のポケット)には、ポケット袋を固定するために、しつけ糸で縫われていることがあります。
「ポケットに手が入らない!」と思ったら、中の袋地を傷めないように注意しながら、しつけ糸を取ってください。

制服を傷めない「しつけ糸の外し方」

「手で仕付け糸を力まかせにブチっ引きちぎって引き抜く」のは、一番やってはいけないNG行為です。
制服の生地は、無理な力が加わると糸が引きつれ、穴が開いたような跡が残ることもあります。

用意するもの
・リッパー(裁縫セットに入っている U字型の道具)
※なければ「糸切りばさみ」で代用ですが、一般的なハサミでも十分です。
・粘着ローラー(コロコロ)
※ガムテープでも代用可能ですが、なければなしで大丈夫です

■手順

  1. 糸を浮かせる
    しつけ糸と生地の間に、リッパー(ハサミ)の先を優しく差し込みます。
  2. こまめに切る
    1箇所切って一気に引き抜くのではなく、数センチおきに糸をカットしていきます。
  3. 優しく抜く
    短くなった糸を、スッと抜き取ります。
  4. 仕上げ
    生地についた糸くずを、最後にコロコロ(ガムテープ)で取れば完璧です。

知っておきたい「しつけ糸」の注意点

最後に、失敗しないためのアドバイスを2点お伝えします。
・「返し縫い」に注意
しつけ糸の中には、端が「返し縫い」で固くなっている場所があります。ここを無理に引っ張ると生地を傷めるので、必ず結び目の近くでカットしてください。


・「デザインのステッチ」と間違えない
稀に、襟の縁などに装飾として細かく縫われている糸(ハンドステッチ風)があります。しつけ糸は通常、「生地と色が全く違う」「縫い目が非常に大きい」のが特徴です。
生地と同色の細かい縫い目は、制服の構造そのものなので切らないようにご注意ください。

まとめ

しつけ糸を外す瞬間は、いわば「準備完了」の合図。真っ新な制服にハサミを入れるのは少し緊張しますが、それもお子様の新しい門出への大切なステップですね。
素敵な入学式になりますように!