「制服のオーダーメイド」ってできるの?知っておきたい大切なルールとは?

学生服販売店でスタッフをしてますNaNaです。
さて、採寸の際にたまにですがご相談いただくのが「制服って、自分にぴったりの形にオーダーメイドできるんですか?」というご質問です。
毎日着るものだからこそ、こだわりたいお気持ちはとってもよく分かります!
ですが、実は学校制服には「既製品」ならではのルールがあるんです。
今回は、意外と知られていない「制服のサイズ」の仕組みと、どうしても既製品が合わない場合の「特別な対応(バイオーダー)」についてお話ししますね。

原則として、学校制服は「既製サイズ」

まず最初にお伝えしておかなければならないのが、学校制服は「フルオーダー(注文服)」ではなく、あらかじめ決まった寸法で作られている「既製品」であるということです。
なぜサイズ調整や仕様変更ができないのか?
「袖をもう少し細くしてほしい」
「ボタンの位置を少しずらしてほしい」
といった、個人の好みに合わせたシルエットの変更や仕様のカスタマイズは、残念ながら販売店として承ることができません。
これには大きな理由が2つあります。
① 「学校のシンボル」としての同一性
制服は学校指定の「正装」です。全員が同じデザイン・同じ仕様のものを着用することで、学校の一体感や平等性が保たれています。個々に形を変えてしまうと、それは「指定制服」ではなくなってしまうのです。
② 品質の安定とコスト
メーカーは厳しい検査基準をクリアした製品を、効率よく生産することで、小ロット・短納期生産のなか価格を抑えています。
1か所でも仕様を変えると、「いろんな検証」や「生産ラインを個別に確保する」などが必要となり、本来の価格では提供できなくなってしまいます。
「制服は、決まった枠組みの中から一番合うサイズを選ぶもの」というのが、基本のルールなんです。

それでも「オーダーメイド(バイオーダー)」が必要なケース

「基本は既製品」とお話ししましたが、例外もあります。
「標準的なサイズではどうしても体が収まらない」「健康上の理由で既製品が着られない」という場合です。
私たちは、どんなお子さまにも安心して指定の制服を着て、学校生活を送ってほしいと願っています。
そのため、以下のようなケースでは、学生服メーカーに直接依頼し、「バイオーダー(特別注文)」という形で、その子だけの一着をお作りすることがあります。
① 既製サイズの範囲を大きく超える(または下回る)場合
メーカーが用意している「最大サイズ」よりもさらに大きな体格の方や、逆に「最小サイズ」でもぶかぶかで安全に着用できないほど小柄な方。
この場合、型紙(パターン)をそのお子さまの寸法に合わせて引き直し、ゼロから裁断・縫製を行います。
② お体に不自由がある場合
車椅子を利用されている方や、装具を装着されている方など、既製品の構造では着脱が困難であったり、座った姿勢で体に負担がかかったりする場合です。
「ファスナーの位置を変更する」「マジックテープ仕様にする」といった、機能面での配慮が必要な場合です。


③ 敏感肌やアレルギーなど、健康上の理由
「ウールやポリエステルなど特定の素材でのアレルギー」また「金属アレルギーでボタンやホックが触れる場所に配慮が必要」といったケースです。
裏地の素材を変更したり、直接肌に触れるパーツの仕様を変えたりすることで、安心して着用できるよう調整します。

メーカーはどこまで対応してくれるの?

バイオーダーが必要と判断された場合、私たちはメーカーの担当者さんと密に連絡を取ります。
具体的にどのような対応が行われるのか、その一例をご紹介します。
■個別パターンの作成
既存の型紙を拡大・縮小するだけではなく、その方の体形で成長に伴う変化も考慮して専用の型紙を起こします。
■素材の選定・加工
重度のアレルギーがある場合、裏地を綿素材に変更したり、肌に当たる部分を保護するような特殊な縫製指示を出したりします。
■機能的なカスタマイズ
手が不自由な方のために、ボタンを見かけ上はそのままに、裏側をワンタッチで留められるマグネットやマジックテープに変更するなどの加工を行います。
【ご注意いただきたいこと】
バイオーダーは、通常とは別の工程で、一着ずつ仕上げます。
そのため、通常より製作期間が長くかかります。 また「もっとおしゃれに着たい」といったファッション目的の変更は、学校側の許可も降りないため、お受けしていません。

悩む前に、まずは制服販売店にご相談

「うちの子、ちょっと体が大きいから入るサイズの制服があるかしら…」 「肌が弱いけれど、3年間毎日着られるかな?」
そんな不安をお持ちの保護者様、どうか一人で悩まないでください。
私たち制服販売店のスタッフは、メーカーと皆さんをつなぐ架け橋です。
まずは採寸の際に、お子さまの状況を詳しくスタッフにお話ください。
「既製品のなかで、お直し(裾上げやウエスト出しなど)で対応できる範囲」なのか、それとも「メーカーによるバイオーダーが必要な範囲」なのかを、プロの目でしっかりと判断してくれますよ。
もし、お体に事情がある場合は、事前に(できれば採寸日の数週間前までに)お電話などで、制服購入予定のお店に一度ご相談されると、よりスムーズに案内してもらえますよ。

まとめ

制服は、これから始まる新しい毎日の相棒です。 入学式の日に、少し大きめの初々しい姿で制服に袖を通した時の喜びを、すべてのお子さまに味わっていただきたい。
そのために、私たち制服販売店は既製品のルールを大切に守りつつ、特別な配慮が必要な方にはサポートをしています。
サイズや仕様について気になることがあれば、いつでもお近くのお店に声をかけてみてくださいね!