【学生服】スラックスの裾は何センチ長くできるの!?その時の注意点も紹介します!

こんにちは!学生服販売店の店員のNaNaです。
新学期や衣替えの時期に多くいただくご相談があります。
それは「子どもの身長が急に伸びてスラックス(ズボン)の裾がツンツンになっちゃったんですけど、あと何センチ伸ばせますか?!」という切実なSOSです。
中学生・高校生の成長期(特に男子)の成長速度は、本当におそろしい(?)ほどですよね。
この間までピッタリだと思っていたスラックスが、ある日突然、くるぶしが見えるくらい短くなっている……なんていうのはよくある話。
今回は学生服販売員の視点から、スラックスの裾直しにまつわる「限界ライン」と、後悔しないための技についてお話しします。

結論!伸ばせるのは「5~6cm」が目安

さっそく結論からお伝えします。
学生服のスラックスで、あとから伸ばせる長さの限界は一般的には「5cm〜6cm程度」です。
「えっ、もっと内側に生地が余っているように見えるけど?」と思われるかもしれません。
確かに裾をめくってみると、もっと折り返してある生地がありますよね。
でも実際にお直しとして綺麗に仕上げるには、次の理由から5〜6cmが限界値となります。

なぜ「5〜6cm」が限界の理由

  1. 折り返しの「余り」が必要だからです。 裾を伸ばしたあと、内側に全く生地が残っていない状態にはできません。
    ヘム(折り返し部分)として最低でも2~3cm程度は残しておかないと、裾がペラペラと浮いてしまったり、靴との摩擦ですぐに生地が傷んで破れてしまったりします。
  2. 「裾上げテープ」や「縫いしろの兼ね合い」で、生地をギリギリまで使い切ってしまうと、強度が保てなくなったりします。
    なので、お店に持ち込んでもらった際は「安全に、かつ綺麗に伸ばせるのは6cmまでですね」とお伝えすることが多いですね。

要注意!「ダブル仕上げ」は伸ばせない場合も

ここで一つ、必ずチェックしていただきたいポイントがあります。
スラックスの裾のデザイン(仕様)には「シングル」と「ダブル」の2種類があります。
【シングル】裾がスッキリと1枚になっているタイプ
【ダブル】裾が外側に折り返してある(カフスがある)タイプ
実は、学校の指定などで「ダブル仕様」で仕立てているスラックスの場合、後から裾を伸ばすことができない(あるいは非常に難しい)ケースが多いです。
もし今、お子様のスラックスの裾が「ダブル」で、かつ「もうすぐ短くなりそう」という場合は、早めに制服の購入店へ相談してみてくださいね。

「うちの子、これからすごく伸びるかも…」と不安な方へ

採寸の際、お母様方から「この子の父親の身長が高くて、半年に5cmずつ伸びてるんです。標準の予備(5〜6cm)じゃ絶対に足りません!」という切実な不安を伺うことがあります。
そんな時は、遠慮せずにスタッフにこう相談してみてください。
「将来かなり伸びる可能性があるので、裾の折り返しの生地を、通常より長めに残してもらえませんか?」
これ、実はとっても有効な解決策なんです。

「折り返し長め設定」のメリット

通常、裾上げ作業は効率を考えて一定の長さでカットしますが、店舗での裾上げであれば、内側の折り返しを10cm〜12cmくらい残しておくことが可能です(メーカーで裾上げの場合はご希望に添えない場合もあります)。
こうしておくことで、1回目のお直しで5cm伸ばす。
さらに1年後、もう一度3cm伸ばす。 といった「2段階活用」ができるようになります。
ただし、あまりに欲張って折り返しを15cmも残すと、歩く時に足に生地が当たって重たく感じたり、見た目がモコモコしたりします。
また身長が10cm伸びたからといって、足の長さが10cm伸びるわけではありませんので、安易に折り返しを長くとることが最善とは言えないのでご注意ください。

裾を伸ばす時の「隠れた敵」…それは「テカリ」と「跡」

また「長さは足りるから大丈夫!」と安心したのも束の間、いざ伸ばしてみると直面するのが「折り目跡」の問題です。
学生服は毎日履くものなので、どうしても元の折り目の部分が擦れて白っぽくなったり(アタリ)、テカリが出たりします。
お直しで伸ばした後にアイロンをしっかり当てても、この「線」が完全に消えることはありません。


【スタッフからのアドバイス】
裾を伸ばすお直しを出す前に、一度ご家庭で「裾の汚れ」をしっかり落としておくことをおすすめします。
泥汚れやホコリが繊維に入り込んだままアイロンをかけると、汚れが焼き付いて跡が余計に目立ってしまいます。
お直しに出すタイミングは「洗濯もしくはクリーニング直後」がベストです!

まとめ

学生服のスラックスは、決して安い買い物ではありません。できれば3年間、1着で粘りたいのが本音ですよね。

  1. 基本は5〜6cmまで伸ばせる!
  2. ダブル仕上げは要注意!基本はシングルが安心
  3. 不安なら「折り返し生地を多めに残して」とオーダーする
    この3点を押さえておけば、お子様の急成長にも慌てずに対応できるはずです。